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スタートアップPRのススメ / STRIVE

はじめに

みなさま、こんにちは!STRIVE Communications Partnerの田原です。主にSTRIVEのブランディングや投資先の広報支援、外部パートナー/サービス連携を担当しています。直近、猫様向けプロダクトCatlogを展開するRABOの資金調達をきっかけに、投資先だけでなくスタートアップに関わる多くの方々からご相談の連絡をいただきました。

もしや今こそ「スタートアップPRとはなんぞや」と私自身が原点に立ち返ってみるべきではと思い、noteを書き始めました。広報・PRに正解などなく、担当者ごと、企業ごとにカラーがあります。あくまでも私のこれまでの経験をふまえて感じた「スタートアップPRにおいて重要な5つのこと」をお話します。

ちなみに、スタートアップ企業内部のノウハウは、投資先であるM&AクラウドGaudiyがとても丁寧に、実践的な内容をまとめられています。資金調達PRのアレコレ、読者に届くコンテンツの届け方など勉強になります。めちゃ参考になりますのでぜひ。

各スタートアップ企業のお困りごと

2021年末、来年は投資先のみなさんに何を提供すると価値があるかなー喜んでもらえるかなーともやもや考えておりました。そこで、普段から個別相談や定例mtgなどでご一緒していますが、改めて投資先の広報担当者のみなさんにアンケートにご協力いただきました。その結果がこちら。

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我々STRIVEは、シード〜シリーズAのスタートアップ企業への投資がメインとなるため、組織規模は小さく、広報担当がいないもしくは兼任である、未経験であることも多いです。そんな投資先からの声として「メディアリレーションを構築できていない」というものがありました。ここにはおそらく、いろいろな悩みが隠れていると思います。

・ツテがない
・いつ、何を伝えればいいのかわからない
・どう表現すればいいのかわからない

こういった悩みを具体的に解決する術というよりか、前提として知っておいた方がハッピーな「スタートアップPRにおいて重要な5つのこと」をお伝えします。

1. PRを通して達成したい目的を明確にする

「今回のPRの目的はなんですか?」と私は、投資先の方と話すときには最初に聞きます。上記にある通り、PRの目的は

・顧客・ユーザー獲得
・採用
・ファイナンス
・事業領域の啓発

などさまざまです。特に多いのは「顧客・ユーザー獲得」「採用」かと思います。どちらもという場合も多いと思いますがメインの目的は絞るべきです。例をあげます。

・「顧客・ユーザー獲得」が目的の場合
タイトル:〜億円の資金調達。XXX業界向けXXXXを解決する新プロダクトを正式リリース
写真:サービス写真や成長が可視化されたものなど
構成:資金調達概要+サービス詳細+調達背景+今後+投資家コメント・・・
・「採用」が目的の場合
タイトル:〜億円の資金調達。XXXの事業成長と採用・組織拡大を加速
写真:社内のメンバーの顔が見え、親しみやすい印象の写真など
構成:資金調達概要+調達背景+今後+投資家コメント+サービス詳細・・・

ニュースの内容は同じでも、伝える順番や絵を変えることで伝わり方は変わります。ちなみに、株主やパートナー企業との写真も多く使われますが、信頼感の獲得にも繋がる可能性があるため、どちらの目的でも使われやすいのだと思います。

余談ですが、写真ひとつとっても、想いを込めて撮影に臨む投資先も多いです。M&Aクラウドの資金調達の写真は、スタジオでガチ撮影されていますし、RABOの資金調達の写真は、猫様の額縁を用意し"猫様は偉大なり"を表現しています。テキストも写真も文章もすべて、その企業や事業の印象につながるもので大事です。

2. 点でなく線で考える

「今回のリリースをメディアの方々に広く取り上げてもらいたい」とよく思うものです。しかし、記者さんの立場になってみるとわかると思うのですが、単体のリリースを見ても世の中がどう変わるのか、事業がどのように変わっていくのかわからないものです。物語にストーリー性があるのと同じで、会社から発信する情報にも必ずストーリーが重要です。どのような事業をなぜこの会社がやっていて、やらなくてはいけないのか。3ヶ月後じゃなくてなぜ今なのか。このニュースを皮切りにどう変わっていくのか。わくわくするストーリーは、あるものではなくつくるものだと思います。

そして、資金調達のニュース単体でバリューがある時代は過ぎてしまったのかもしれません。資金調達は起業家の苦労がつまっています。大変喜ばしいことですし、私も全力でサポートします。ただ、PRという視点においては、主観だけでアピールしても伝わらないので常に客観的に考え、どういう伝え方であればインパクトがあるか、いつ発信すればインパクトがあるかを常に考えるべきです。

(例)
△ 資金調達完了した!プレスだそー!
◯ 2ヶ月後に控えている業務提携と資金調達の情報をまとめて出した方がインパクトあるかな?

など、内容とタイミングはいかようにでも調整できます。

3. メディアの先にいる読者視点で考える

私たち広報は、向き合いは確かに記者さんです。でも、記者さんはメディアを抱えており、メディアの先には必ず読者がいます。なので、「このニュースは読者にとってどういうメリットがあるのか、どう伝えるべきか」という視点は欠かせないと思います。

私的メディアの分類はこちら。記者さんからしたらナニコレ的な側面もあるのは承知ですが、情報の速報性×流動性で考えるとしっくりくるなーと思ってつくりました。(ココこうじゃない?とかあれば教えてください)

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ここで伝えたいことは、メディアによって求める情報の内容や切り口、タイミングは異なるので、ストーリーは変えてもいいのだ、ということです。もちろんあまりにもベクトルが異なるストーリーはNGですw ただ、切り口は変えてもいい。切り口が変わると結論は同じでも構成・ストーリーは若干変わる気がします。

4. 記者の方は忙しい

あなたが忙しいように、記者さんもめちゃ忙しいですw 毎日100通以上の連絡がくる世界だとうかがっています。だからこそ、私たち自身が記者さんに対して「このニュースはこんなに価値があるのだ」と思ってもらえる努力をすべきです。
自社のPRネタだけでなく他社情報も合わせて送ることで業界を俯瞰して見れる環境をつくったり、日本だけでなく海外の情報も合わせて提供することで、日本にもいよいよトレンドがきていることを認識してもらったり。

"よく調べたら良さそうなニュースだったのに、今回は取り扱えなかった"はお互いに機会損失です。

5. VCをうまく活用しよう

私がスタートアップ企業に在籍していた時代には、VCの中にバリューアップチームはなかったと思います。(知らなかっただけかもしれません)
しかし当時は(当時も)、担当投資家の方々が記者さんを繋いでくれたり、営業先に同行してプレゼンまでしてくれたり、本当に助けてもらった経験があります。海外ではa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)を筆頭に当たり前となったVC Platform(投資後の企業価値向上に特化したチーム、HRやPRなどさまざまなサポートを行う役割)という考え方は、日本でも根付いてきたように思います。

STRIVEの広報はまだ私しかいないので、すべてを網羅的にサポートすることは難しいのが現状です。ただ、幅広くさまざまな支援をできるのは強みだと思っています。

STRIVE Communications Partnerの役割
・PR戦略の策定
  - フェーズごとのPR戦略/戦術の策定
・コンテンツ制作
  - プレスリリースをはじめさまざまなコンテンツの制作
・人材育成
  - 起業家の皆さんのPRマインドの醸成
  - 1人目広報の立ち上げ
・メディアリレーション
  - 経済・ビジネスメディア、スタートアップ系メディア等とのリレーション構築
・コミュニティ運営
  - 外部パートナーやサービスとの連携
  - ノウハウ共有のためのコミュニティ運営

マイポリシーは「常に高みを目指して、泥臭く伴走すること」。上段だけ考える、手を動かさないということはありません。これはSTRIVEの想いと同じです。私は広報という立ち位置ですが、STRIVEのキャピタリスト、タレントパートナー(HR)、リサーチ、アドミン、すべてがそんなメンバーです。


おわりに

現在はVCも増え、各VCに本当に優秀で頼りになる広報・PRの方がいらっしゃいます。私もいつも学ばせていただいており、今後もさらにスタートアップ業界が発展していくと思います。また、VCに限らず、スタートアップも相当数増えました。VC・スタートアップ全体でPRを通して事業成長を加速させていきたいと思います。

STRIVE気になる、投資の相談したい、情報交換してもいいよ、話だけでも、等々、ぜひTwitterでご連絡ください!


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