VC経営:リードVCとは何か?

日々スタートアップの資金調達のご相談、また投資先の資金調達のサポートを行っているわけなのですが、今日は、リードVCの役割についてお話したいと思います。

資金調達をしているスタートアップの最大のイシューは、リードVCを見つけられるか、どのVCにリードをお願いするかということに尽きると思います。
もちろんバリュエーションや調達額もとても重要なイシューではあるのですが、それらは結局、リードVCと合意できるかにかかっているので、とにもかくにもリードVCを見つけることがそのラウンドを成功させられるかの鍵と言っても過言ではありません。

では、何故、リードVCが重要なのでしょうか?
リードVCの役割として、以下のものが挙げられます。

1.当該資金調達ラウンドので投資条件(プレバリュエーション、総調達金額、各種投資家の権利・義務を定めた条件等)を決めること

2.そのラウンドにおいて、最大の出資金額を投資すること

3.出資後、次回の資金調達に向けて、経営面でのサポートを行い、実際に次回ラウンドの取りまとめを行い、クローズまで導くこと


1は言うまでもなく、リードVCに求められる最も基本的な役割です。これが決まることによって、他のフォロー投資家も意思決定がしやすくなり、ファイナンスのクローズがスムーズになります。よく、投資家から、「フォローであれば投資するので、リードVC探してきてください」と言われることがあるかと思いますが、その理由はまさにこれです。

2も重要な役割の一つです。その資金調達ラウンドの最大の出資者であるというのはわかりやすいシグナルであるからです。ただ、投資家によっては、出資金額は最も多く出すが、投資条件をまとめたりするのはリードVCにお願いしたいという場合もあります。これは事業会社やCVCなどが出資する場合、こういうケースもあります。

3は、1や2に比べてあまり着目されないのですが、個人的にはこれが一番大切だと思っています。きちんとしたリードVCが入ることにより、当該ラウンドが成立するのはもちろんなのですが、次回ラウンドの成功確率も格段に上がるからです。言い換えると、リードVCによるお墨付き効果とも言えるかもしれません。

もちろん、スタートアップ/起業家のトラクション、チーム、構想力こそがあっての資金調達なのですが、その信用補完にリードVCの存在は欠かせません。むしろ上記3つが完璧に整っているスタートアップなど、特にアーリーステージの場合は殆どないので、リードVCが果たす役割は大きいと思います。
なので、起業家の方は資金調達を行う際に、どのVCにリードを頼むのか、そのVCのリードVCとしての実績や評判はどうなのかを事前に調べておくことをお勧めします。できれば、お願いしたいVCに既に出資してもらっている起業家からレファレンスを取るのが一番いいと思います。
あともう一つ、資金調達のステージが変ることによって、リードVCに求められる役割も少しずつ変わってきますので、そのあたりの特徴も出来る限り調べておいた方がいいと思います。アーリーステージであれば、経営戦略やKPI管理、採用支援の比重が大きいですが、レイターステージだと、上場を見据えて資本市場との対話の仕方や主幹事証券との付き合い方などの比重が大きくなってきたりします。各VCもそれぞれの得意不得意がありますので、その辺りを調べてどのVCにお願いするか決めるのがいいかと思います。

いずれにせよ、スタートアップにとって、いいリードVCと出会えることは、その後の成長に大きく関係してきますので、起業家の皆さんは、是非、ご自身に合った相手を見つけて欲しいと思います。

個人的には、いいリードVCとは、起業家から何か困ったときにまたは嬉しいときに、“ファーストコール”を受ける存在だと思っていますし、常に自分もそういう存在でありたいなと思っています。

私のファンド、STRIVEでは、アーリーステージで投資させていただくスタートアップは、全てリードVCとして投資させて頂いています。
リードVCを探されている起業家の方は、是非、ご連絡ください!!

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